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2021年3月13日~15日 武尊山・日光白根山・赤城山

3/13<武尊山>

 

 

綺麗に稜線を辿るルート。予報は暴風。麓は雨。
ぐらぐら揺れるリフトの上で雪に変わる。
賑やかに斜面を滑る人たちを横目に、
あきらめの心境でゲレンデトップに降り立つ。
なんの準備もなく、目の前の斜面をとりあえず登る。
僅かに上がる高度に合わせて、手を抜くことなく風は強さを増す。
12mほど登っただろうか。激しく体を押されながら目を凝らすと、
不穏な灰色の空の下、かろうじて剣ヶ峰山への細い稜線が見えた。
ハロー&グッバイ。また逢う日まで。

 

そんなこんなで時間はたっぷり。

この日の宿泊地、丸沼高原へ向けてのんびりドライブ。
一日いてもきっと飽きない、道の駅川場田園プラザに寄り道。
お土産を買い、おやつを買い、行動食のパンを買い、美味しいご飯を食べる。

カロリーを摂取するためだけにカロリーを消費して一日が過ぎる。
 

 

3/14<日光白根山>

 

 

前日は吹雪でロープウェイも運休。空も見慣れたモノトーン。
この日も悪天予報だが行けるところまで行ってみましょうと、鳥居を潜る。

新雪で雪化粧した樹林をスノーハイクの気軽さで歩き出す。

 

登りながら丁寧にピンクテープの雪を払うリーダー。
初めての山、いつホワイトアウトしてもおかしくない天候。
数歩、数時間先ではなく、下山するまで考えて行動する。

一人でないから気が緩んでいるのか、一人でもそこまで気を回せるか。

考えが及ばなかった事を反省し、気を引き締める。

 

西側斜面をトラバースしていくと、先行者がまず一人、

その後もう一組、引き返してくる。

 

樹林帯を抜けると広い斜面。トレースも曖昧。

どこでも歩けるが、方向を保つのが難しい。
山頂の鞍部に突き上げる斜面に入ると、白い空と雪で稜線の輪郭も分からず、
斜度も距離もつかめない。GPSで確認しながら、
左に見える岩と右のピークを見失わないように登って行く。

 

 

雪に埋もれる祠があるピークに立つ。
GPSで確認すると山頂はこれではない。目と鼻の先の山頂も、
岩が雪に埋まっていたら輪郭すら分からない。
足元しか見えないまま登頂。登ってこれた喜びよりも、
無事に下山できるかの不安が上回る。

 

岩とピークを目印に登った斜面、下りは目印はない。
少し離れると前も後ろも見失ってしまいそう。
こまめにGPSで方向を確かめ下っていく。
高度を下げるにつれ、視界が効くようになり、
樹林帯へ向けて、自らのトレースにたどり着く。
しばらく足早に下り、ここで初めてゆっくり休憩。
やっと力が抜け、初めての談笑。

山頂からの景色どころか、山頂の景色もはっきりとしないが、
その代わりに見えたもの、感じたものは多く、充実した山行になった。

 

この日のお宿は、赤城山の麓、大沼に面する、
大正、昭和と歴史を紡ぐ青木旅館。玄関には三度笠に雨合羽。
時代で材を違える廊下はピカピカ。お布団には豆炭のあんかが仕込まれている。

 

 

心づくしのお料理に、お酒も進み、山の話も尽きません。

 

 

3/15<赤城山>

 

ワカサギ釣りも終わった月曜日はひっそり。

大沼には横一筋、御神渡りのようなひびが見える。

 

 

記録者は3ヶ月ぶりの再訪。この度は逆回り。

直前に降った雪で白い木々が美しいが、空も白く色味は無い。

 

 

絶景スポットからの景色も灰色の空が広がるばかり。

 

 

残念だね~と駒ケ岳へ足を進めると空が澄みはじめ、

浅間山、富士山も姿を見せる。

 

 

山のグラデーションが空に溶けそうな果てに、筑波山の双耳峰もうっすらと見える。

最後の最後で景色を堪能できて、申し分ない締めくくりとなった。

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