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2024年7月13日剱岳早月尾根ハイク

数年前、富山大学出身の知人が学生生活の集大成として早月尾根をワンデイでピストンをしたと語ってくれた誇らしげな表情が忘れられず、自分もいつかはと考えていました。
暑い季節が苦手な私。でも今年は雪がとけてからも足繁く山に通い、先月は早月尾根を想定して獲得標高2200m超の木曽駒上松からも登った。
五月晴れで急遽訪れたタイミングだったけど、結果的に無事歩き通すことが出来た。

14日〜16日立山入山の剱岳計画は雨予報で中止。
山に登れないのは悔しいので13日の快晴予報を見て急いで計画書を作成し、定時に仕事を終わらせ一路富山へ。

北陸自動車道呉羽PAで仮眠し、5時すぎに馬場島到着。
1日で降りてくるなら未明から登るのが必須と考えていたので、この時点では早月小屋前のテン泊装備です。もちろん計画書も同様。ビール一缶、焼酎350ccを持って、優雅な晩酌を想定していました。
早々に準備を終え、出発は5:30。

標高200mごとに見つけやすい銘板が設置されていて励みになります。
1400mと1600mの間隔がちょっとおかしかったけど。

早月小屋到着は8時45分。標高1500mアップで3時間15分…これはもしや…。
小屋から頂上ピストンは高原地図のCTで6時間。自分の想定CTは5時間。
15時に小屋に戻って来れたら日没前の下山に間に合うと過り、俄然やる気が!
ここは慎重にと持ってきた文庫本を少し読みながら40分ほど大休止し、登山再開。

遥か彼方に見える頂上も一歩ずつ足を出せばいずれ着くけど、アルバイトで現れる症状がやっぱりここで。
2300m付近で出た右太腿の違和感はいつもの”攣り”。今日は悶え苦しむほどではないけど、さすりながら内膝を親指で押さえながら休憩していると、小屋前で抜かした神戸の垂水区から来た方。
症状を申し出ると出してくれた秘密道具がこれ。

ムヒアルファ〜EX!(ムヒEXって聞いたけど同じ?)
患部にさっと塗ってストレッチするとあら不思議、さっきまでの痛みが解消!
経験上68番芍薬甘草湯でも治らなかったのに数秒で。

この山行の成功はこの方のお陰です。
なんやかんやで頂上往復をご一緒することに。

攣った太腿を何度も気遣っていただき、たまに自分の足が止まりながらも無事登頂。
本格的に登山を初めて10年ちょっとですが、初めての剱岳です。
翌日が雨予報なので別山尾根ルートからは少ない模様。室堂から1日は厳しいからか。

360度の眺望でもやっぱり山スキーでよく行く立山方面が気になる。
剱沢滑って、長次郎谷を登ってまたここに立ってみたい。

眺望を楽しみ、写真を撮り、雲が湧き上がってくるので下山開始。
垂水の方とは早月小屋でお別れ。時刻は15時……12時間切れるかも!

ストックを使いながら気持ち早足で降ろうとするものの、2200m上がってからの下りは辛い。
時折つまづきながら、ボロボロになって登山口到着。
観音様?御釈迦様?の像に手を合わせ、17時27分着でなんとか12時間切り達成。

大変な山は他にも色々あるけれど、とりあえず目標達成出来て感無量。
試練に耐え、憧れ…はちょっと近くなったかな。積雪期は来ませんよ。

滑川市のスーパー銭湯でゆっくり疲れを癒やし、遅くなったのでこの日はやむなく車中泊。

翌朝、石川県に移動し片山津温泉で朝風呂を堪能したあとは、行きたかった「中谷宇吉郎 雪の科学館」。
前にブログで少し書きましたが、世界初の人工雪(結晶)の製作に成功した功績を讃え、生誕の地に構える資料館。

あと4ヶ月もすれば標高の高い白馬や立山でも滑れるほどに雪が積もります。
来るスキーシーズンに向けて、下見山行と体力づくりにもっと励まなければ!