独立峰で中国地方最高峰1729m。その堂々たる佇まいは「伯耆富士」ともいわれ、富士山、立山、御嶽山に並び、日本を代表する4名山に数えられる。
コロナ渦で地元で雪山を楽しむ人が多いのか、駐車場周辺はスキー客や登山客でいっぱいだった。
私達はロッジ立ち並ぶ麓の舗装路を抜け、夏山登山口から、暫くツボ足で頂上を目指した。
スタートから1時間ほどで息が切れてきた。
年が明けてからトレーニングをサボっていたツケだ。
3合目を過ぎた辺りでついにステップを崩してしまい、渋滞を作ってしまう。
少し上がったところでアイゼンを装着した。
それからはアイゼンの爪がしっかりと効き、とても歩きやすかった。
目の前に高くそびえる雪の大山にウットリする。
そして時折、元谷を滑走するスキーヤーや、別山に取り付くアルパインクライマーに目をやる振りをしながら息を整えた。
そうこうしながら山頂に到着。
風もなく穏やか。眩しい程の快晴だ。
ガスの切れ目から一瞬、剣ヶ峰が顔を出す。
北壁の、光と影のコントラストが美しく、皆一斉にカメラを向けた。
頂上避難小屋横でランチを済ませ、さあ下山。
8合目に差し掛かった辺り、
「何あれー!」まさに今通る稜線上に、加湿器の吹出口のごとく勢いよく煙のようなものが上がっている。表面の雪が強風で舞い上がり、とても幻想的だった。
感動も束の間、「いてててててて」何度も訪れる突風と雪の襲撃。雪煙というらしく美しい見た目とは裏腹に、細かい雪の粒が顔に当たってとにかく痛かった。
6合目避難小屋を過ぎても続き、逃げるように下った。
行者分かれからは常行谷の東側の尾根を辿った。
夏山登山道とは違い、ミツバツツジの細い枝の間を抜けたり、初心者の私にとっては緊張する場面もあったりして、安全に通過出来た事が何より嬉しかった。
9:30夏山登山口〜12:30弥山山頂〜14:30夏山登山口