コンテンツへスキップ

2020年7月24~25日 知床連山縦走

真っ白な羅臼岳山頂

 

ヒグマの生息密度世界一の知床半島の背骨、知床連山を歩く。
山と高原地図のルート上には7つものヒグマの文字。

 

前日の予報では24日の天気が悪く、25、26日は良さそう。
入山を一日遅らせることも考えながら就寝。朝まで雨音が途切れない。
そんなに降られはしないだろうと、予定より3時間遅れで出発。

進む樹林帯はお花が瑞々しい。

撮影:IMさん

雪に耐えたブナが登山道に張り出し頭をぶつける。

羅臼平に到着する頃には、ガスに覆われ期待していた景色は無い。

進む先、視界いっぱいに薄黒い雲が立ち込めている。
登って行くとそれが羅臼岳の輪郭だと気づく。あまりにも大きい。

撮影:IMさん ​一面のお花畑

ハイマツの緩やかな斜面は徐々に大きな岩が目立つようになり、
山頂に近づくにつれ緑は影を潜めていく。
岩のヘルメットを被ったような羅臼岳、山頂は真っ白。

濡れそぼって戻った羅臼平からは、肩を超えるハイマツに分け入り、
ぬかるむ足元もあまり見えない。洗車機で洗われているような気分。
ハイマツのブラシを抜け、視界が開けるとガスでぼんやりながらもお花畑が広がる。
雪渓を進むと三ツ峰のキャンプ地。水もたっぷり、大きな6テンもぎりぎり張れた。
雨の中のテント設営はあまり記憶にない。かけられるところすべて物干しと化す。

 

 

テントを片付けていると、朝靄が輝きだす。
昨日は見えなかった三ツ峰の二つのピークがうっすらと見える。

撮影:THさん

雨が降っていないだけで足取りが軽い。

サシルイ岳の影が落ちる広い裾野を進む。日が昇るにつれて空は澄んでいき、

振り返ると三ツ峰の鞍部から知床連山の主、羅臼岳が顔を出し、
文字通り三ツ峰の景色を呈する。山頂に羽衣のような雲が漂う。

撮影:THさん

また忘れられない景色が一つ増えた。

何度も振り返りながらお花畑の斜面を進む。

撮影:IMさん

オッカバケ岳を乗越すと、眼下には二ツ池のキャンプ地。


その遥か先には知円別岳、硫黄山の目指す稜線、
横を向けば国後島のルルイ岳と爺爺岳が雲海の上に頭を出している。

南岳に登り上げると火山の複雑な隆起を目で追うのに忙しい。

雲一つない空の下、知円別平から知円別岳まで、緑の絨毯の中をゆるやかに進む。

雲海の中に国後島のルルイ岳と爺爺岳が見えている

 

撮影:IMさん

知円別岳からの景色は一転、砂礫に覆われた細い尾根を進み、火山礫の間を通り抜ける。

時間の関係で硫黄山は諦め、知床連山の果て、雲海に浮かぶ知床岳を目に、
大きな岩が転がる悪路と名高い沢筋を下っていく。

撮影:THさん 知床岳

最後の最後に待ち受ける、ルート上一番の熊出没多発地帯も無事通過。
雨の一日目もスパイスとなり、北海道らしい、甘くない、
だからこそ絶景が骨身にしみた縦走になりました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です