一月に35日雨が降ると言われる屋久島。天気予報は良好。
乗り継ぎの鹿児島空港ロビーでは霧島連山が圧巻。上空から桜島も見られ興奮ぎみ。
タクシーで淀川登山口へ行く道すがら、焼酎にも名前を冠する凛々しい愛子岳も見える。
いきなり階段から始まるルート、苔に覆われた杉の大木、
枝の先から根に至るまで樹皮が剥けたようなヒメシャラが目に付く。
旅の興奮冷めやらぬ間に淀川小屋到着、先客は数人のみ。
その後続々と到着し小屋もテン場もいっぱいに。
肌寒さを鶏団子鍋で吹き飛ばし早めに就寝。
木々の隙間から空が赤く色づくのを見ながら歩く。
樹林が途切れた展望台から高盤岳の豆腐岩が見える。
小花之江河、花之江河と高層湿原を抜け縦走路でザックをデポし、黒味岳を目指す。
フリクションはあるがつるりと角が無く足掛かりが心許ない岩場が続く。
岩がむき出しの山頂からは目指す宮之浦、永田岳が彼方に見える。
縦走路に戻りしばらくすると、ヤクザサで覆われた鮮やかな緑の山肌に、
大小様々な形の花崗岩が点在する景色が広がる。
左から翁岳、安房岳、投石岳、黒味岳
ユニークな山容の投石岳、安房岳、翁岳と裾野を縫うように進み、
栗生岳とその背後に続く宮之浦岳へ、青空に駆け上がるように稜線を歩いてく。
心地よくて楽しくて顔がほころびっぱなし。
九州最高峰の山頂からは360°幾重にも山に囲まれた景色に山の島であることを実感する。
向かいには威風堂々とした永田岳。緑の海に飛び込むように笹原を行く。
永田岳と続くネマチの格好いい稜線
登るにつれ色々なものに見て取れる巨岩が楽しい。
大きな岩の山頂からは少しガスがかかり180°ぐらいの展望を楽しむ。
縦走路への分岐へ戻り一息。同様に休憩中の人たちは時間的にも同じ小屋泊まりである。
定員60名。6名の団体と13名の団体、先を越されたら大変である。
休憩もそこそこに歩きギリギリ滑り込みで小屋に寝場所を確保。
スープカレーに鹿児島名物薩摩揚げもご馳走様でした。
3日目、巨木に覆われた厳かな森を歩いていくとこれまでとは格の違う、
まるで壁のような縄文杉が姿を現す。ここからは木の階段、木道が続く観光地となり
行き交う人も増える。秀吉がお寺を作るために切られたというウィルソン株で思い思いに♡を撮る。
巨木の大きさに麻痺してきたころ、トロッコ道へと降り立つ。
続々とやってくる人をかわしながら進み、長い登り返しを経て、もののけの森へ。
木々が茂り、苔が覆い尽くす。見渡す限り濃い緑の森。
神秘的だが一日目とは打って変わって人で賑やか。
文句のつけようのない天気のなか、バラエティに富んだルートを歩けて、めくるめく三日間でした。