岩場までの3時間のドライブをこの3ヶ月間繰り返してきた。
夏場は訪れるクライマーもおらず荒れたアプローチは
いつの頃からか歩きやすくなった。
「暑すぎるとか、湿度が高すぎるとか、ホールドが濡れているとか、
そんなことはどうでもいいんだ。自分が強ければ、登れるルートなんだ」と
神、アレックスメゴスは言う。
「言い訳は通用しない」

でも…、我々は神、アレックスとは違う…。
言い訳だらけのオヤジ集団、笑
言い訳だらけのオヤジ集団、笑
気温が高すぎヌメり、ホールド感が鈍る
「今日じゃねぇわ」、と…
ルート上にはいつもは見ないテントウムシ
そう、幸運を呼ぶテントウムシ
終日、陽が当たらず風の通り道
足場も悪く過酷なビレイポイント
たとえ何時間でも、何度でも落ちようが、
「気の済むまで登ってくれりゃ、それでいい」
気が付けば晩秋の景色のなか、
高まる鼓動。押しては、引き…離されないようにと、しがみつく。
そして、ようやくこのルートに別れを告げた…
まさに恋愛、笑
この世の人生も恋愛も無常である。
ただオヤジの一途な備中愛だけはこれからも変わらない。
ではまた