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2014年1月2~5日 涸沢岳西尾根から奥穂高岳

山歩渓 M崎さんの山行報告より

山行総括
雪山リーダー養成アルパイントレーニングの一環として実施したメラピークKOBEとの合同山行。
初日は交通の都合で十分な高度まで上がれなかったが2日目は天候に恵まれ涸沢岳西尾根から蒲田冨士、涸沢岳を経由して奥穂高岳の登頂に成功した。
CL, SL以外の3名は厳冬期初の北アルプスであったがCL, SLの適格な判断で予定通りの山行を完了する事ができ貴重な経験となった。
行動記録
1月2日(木)
06:00 JR西宮発-12:00 新穂高温泉駐車場着(東京からのKT部と合流)-12:50新穂高温泉駐車場発 – 14:10 穂高平小屋着 ― 16:00 幕営地着(約1800m)
1月3日(金)
05:00 幕営地発 ― 09:05 蒲田冨士着 – 11:40涸沢岳着 ― 12:10 穂高岳山荘着 ―
12:50 穂高岳山荘発 ― 14:00 奥穂高岳着 – 15:45穂高岳山荘着(冬季避難小屋ビバーク)
1月4日(土)
09:40 穂高岳山荘冬季避難小屋発 ― 11:10 F沢コル着 ― 13:20 約1800m幕営地着 ―
14:20 テント撤収・幕営地発 ― 15:40 穂高平小屋着 ― 16:25 新穂高温泉駐車場着(平湯温泉駐車場でビバーク)
1月5日(日)
07:30 平湯温泉駐車場発 ― 11:30 西宮着



F沢コルから涸沢岳への登り




涸沢岳から奥穂高岳を望む





奥穂高岳山頂3,190m

蒲田冨士からのナイフリッジ
KT部
大みそかのフリーから中2日というハードスケジュールで今回は厳冬期の雪山。
トレーニング不足と連日の疲れで全く歩けなかった。
今回の山域は今年で3回目。
前年のメラI田さんの山行では晴天にも関わらず奥穂を登頂できなかったリベンジとメラ&山歩渓の若手の山行リーダーという二つの要素があった。
計画段階でのトレーニングと入念な下調べ、及び天候調査によって、ほぼ完ぺきな登攀となった。
初日、1700M?でのベース。
二日目の晴天で奥穂登頂と穂高避難小屋での予定通りのビバーグ。
最終日は早朝の風雪を見こし9時過ぎの晴れ間を逃さず下山。
ベースには昼に到着したので、予備日を使わず下山し平湯温泉でテント泊し帰神&帰京。
今回の反省点。
KT部、I田とも年末からの疲労&トレーニング不足による基礎的な登りが充分できなかった。
山歩渓のM崎さんは軽い高山病の影響で下山時にアイゼンを引っかけるヒヤリハットがあった。
体調管理とアイゼンワークのトレーニングは重要です。
M崎
まずはI田CL、KT部SLそして他メンバーに感謝します。
2011年の雪山教室の受講から雪山を始め2年足らずで厳冬期の北アルプス、日本で3番目に高い奥穂高岳に登頂できた感激を噛みしめておりI田CL、KT部SLの的確な判断・ご指導と皆さんのご協力があってこそ実現できたと思います。
課題は多くありますが非常に充実した良い経験となりました。
初日(1月2日)
東海北陸道飛騨市辺りまでは順調だったが片側一車線走行となった所で渋滞となり西宮から新穂高温泉到着まで6時間を要した。
車での日中の移動は深夜と比べ体への負担は軽いが予想以上に時間がかかる。
新穂高温泉駐車場の出発が昼1時前となり目標としていた2400m地点までは行けず約1800mで幕営した。
翌日の長時間の山行に備える。
2日目(1月3日)
晴天に恵まれ快適な登山となった。
年末年始に数パーティーが入山していた様子でトレースがあり想像していた程雪も深くなかった。
蒲田冨士手前の約2600mの森林限界を超え稜線に出てから次第に風が強くなり冬の北アルプスの寒さを実感した。
蒲田冨士からF沢コルまでの稜線歩きは数十メートルのナイフリッジ、I田さんによれば昨年より雪が多く怖くないとのお話しだったが雪が崩れて真っ逆さまに滑落するのではないかと胆を冷やした。
F沢コルからは涸沢岳が立ちはだかる圧巻で緊張した。
涸沢岳山頂からは北に槍ヶ岳、南に迫る奥穂高岳の遠くに富士山も望めまさに「絶景」だった。
穂高岳山荘では冬季避難小屋の場所がなかなか見つからずたまたま到着が一緒になった別パーティーのガイドに教えてもらい雪に埋もれかけた入口を掘り出しビバーク場所を確保した。
屋内はしっかりした作りで予想以上に広く快適なビバークになると安心した。
荷物を避難小屋に残し空身で奥穂高岳をピストンした。
鉄梯子もある最初の急登は岩と雪のミックスで緊張したがその後は山頂まで快適な登り、山頂からは目前にジャンダルムが望め感動した。
夕方から翌日4日午前にかけて天候が悪化する予報だった為その日の内に奥穂高岳に登頂できたのは良かった。
KT部SLの的確な判断があったからこそだと思う。
尚、風が強かったにも関わらず十分な防寒対策をしていなかった為奥穂高岳から避難小屋への下降中に体が冷え切り避難小屋では体の震えがなかなか止まらなかった。
冬期のレイヤリングは難しいと思うが経験を積んで今回の様な事を繰り返さない様にしたい。
3日目(1月4日)
天気予報の通り3日の晩から風雪が強くなり4日の朝はガスが出て視界が10m程しか無い状態であった。
KT部SLから30分毎に外の様子を見て出発のタイミングを判断するとのお話しがありガスが風で飛ばされ西から青空が見え始めたのを見て9:40の出発となった。
3千メートル前後でめまぐるしく変化する天候を見極めて行動を開始する事の難しさを実感した。
涸沢岳からの下降路で左足アイゼンを雪から少し出ていた岩に不用心に乗せバランスを崩して転倒した。
幸いそれほど急斜面ではなかった事、体を山側にひねり雪面にピッケルを突き刺し確保姿勢が取れた為滑落はなかったが非常に危険で背筋が凍りついた。
どんな状況でも絶対に気を抜かず慎重に行動する事が必要と身に染みて感じた。
最後尾のKT部SLにはご心配をおかけして大変申し訳ありませんでした。
約1800mの幕営地に到着したのが13:20、テントを撤収し下山した。
白出沢出合から新穂高温泉までの右俣林道は約1時間半の行程だったが非常に長く感じた。
この日は新穂高温泉駐車場から平湯温泉まで移動し駐車場でビバーク、翌日朝平湯温泉駐車場を出発して昼前に西宮に到着した。
 

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