予期せぬ長期出張により断念していた夏の北アルプス。
急遽大阪に戻れることになり、以前から計画していた槍行きを決行。
今回のテーマは「可能な限り混雑を避けて槍ヶ岳に登頂する」こと。
初日の登りこそ曇天だったが、その後は晴天が続き、天候には非常に恵まれた。
途中これといって危険な箇所はなく、良く整備された歩きやすい道が続いた。
秩父沢にて。目の前まで雪渓が残り、吹き降りる風が冷たく心地よい。
鏡平に着いたものの、まだ雲は晴れず。
花見平の手前、雪田を歩く。彼方には鷲羽岳。
昼前に双六小屋へ到着。ようやく青空が見えてきた。
テン場が余りに居心地よく、オプションに設定していた双六登頂は見送り。
爽やかな夏の午後をひたすらゆったり過ごす。なんとも贅沢な時間。
夕食はポトフをじっくり煮込んで食す。
食材と調味料にひと工夫あり、出来栄えは最高!食担(=妻)に感謝。
明け方にテン場を発ち、樅沢岳に至る頃、太陽が顔を出す。
振り返ると桃色に染まる山々。彼方には薬師岳。
笠ヶ岳とシルエットで記念撮影。
陽光を背に浮かぶ北鎌尾根。やはり次に槍を目指すならここしかない。
道端の花々を見つけてはカメラを構えるので、想定外のペースダウン。
岩の上に、箱庭のような世界。
ついつい見入ってしまう。
朝日に輝く稜線を颯爽と歩く。
さながら高原の趣。しかし風が当たらない側の稜線は少し暑い。
雪を突き破り芽吹く命。
どこまで行っても快適な稜線歩き。
やがて近づく槍の穂先。存在感はやはり圧倒的。
大槍を目前にして思ったことは・・・「小槍デカッ!」
立ち止まることが多かったものの、目標より早く肩の小屋へ到着。
9時過ぎにテント設営完了。最適な区画を押さえることに成功した。
一息つきながら状況を観察。槍沢方面から人が続々と上がってくる。
もしかして今が一番空いてるかも?ということで登頂開始。
お揃いのヘルメットを被った団体様ご一行をかわし、大槍へ取り付く。
途中、ガイド山行らしきパーティがハシゴに確保を取りながら登っていた。
それもどうかと思うけど、そもそも今登ってるのは下降側のハシゴでは?
おかげで降りる人も降りられず、登りも同様、無用の停滞を招いている。
5分もあれば足りるようなジャングルジムを登るのに、結局15分かかった。
ありがちな構図だが、やはり絵になる。
ひとしきり頂上で眺望を楽しみ、小屋でビールと酎ハイを買ってテントへ戻る。
まだ朝のうちから酒を飲んで、なんとも優雅な山のひと時・・・だったのだが、
元々酒に弱いうえ高度3000mということもあってか、その後3時間活動停止。
昼下がりに起きて食べた「もずくうどん」が美味かった!またも食担に感謝。
その後ものんびりと過ごし、小屋で土産を物色したり、周囲の山々を眺めたり。
昨年登った常念岳は、西から見ても恰好いい山だった。
夕日も綺麗だったが、あえて月と笠ヶ岳を一枚に収める。
写真だと判り辛いが、左上に三日月(二日月?)が浮かんで、絵になる光景だった。
翌日は下山のみ。朝から雲ひとつない青空で、登りの人には辛そうな天気。
なかなか変化に富んだ道を楽しみつつ、予定どおり新穂高の駐車場へ帰着。
目的の達成度は9割以上。満足感と余韻にひたりながら家路についた。
さて、来月はどこへ行こうか・・・