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2016年5月2日 奥穂高岳南稜


奥穂高岳南稜
今年のGWは天候が不安定で悪天の合間をついての山行となった。
4/30, 5/1の2日間は悪天のため岳沢小屋のテント場で停滞し5/2になってようやく奥穂南稜を登攀、5/3から再び天候悪化したため
一旦松本に下山し、5/5に再び入山し5/6に明神岳東稜を登攀した。
天気が荒れた4/29から5/1には前穂、奥穂、涸沢で滑落やホワイトアウトによる行動不能などの遭難が相次ぎ、5/2は近くで救助ヘリが何機も飛び交う中での奥穂南稜の登攀となった。
時間的余裕の必要性と気象を読む力の大切さを感じた山行だった。
当初予定していた錫杖岳クライミングと奥穂コブ尾根は実行できなかったが目標としていた残雪期の奥穂南稜と明神東稜が成功した事は貴重な経験となった。
5月1日(日)
岳沢小屋にてテント設営後、奥穂南稜の取り付きを偵察に行く。
雪渓を詰めた所にある滝沢大滝のすぐ左側にあるガリーをロープを出して5m程度を試登(Y本)しトポにあるハーケンを確認した。
岳沢小屋から大滝までの雪渓の雪の状態は良く、大きなシュルンドもなかった。


  

  



5月2日(月)(6P、岳沢小屋から涸沢ヒュッテまで約9時間)
04:30 岳沢小屋テント場発
大阪アルデ山岳会の4人が先行、大滝手前左に分岐する雪渓から取り付き、斜め左上から廻り込む形で南稜に向かったのを見て大滝左のガリーからロープを出して登攀するより時間短縮できると判断しアルデと同じルートで南稜に取り付いた。(05:10) 
トリコニー前のモノリス岩まで70度程度の急峻な雪壁をノーロープ、ダブルアックスで約1時間半。雪が締まっていたためステップが切れず休憩がとれない中での長い登攀だった。
07:00 モノリス岩1P目宮崎リード 先行2パーティーの順番待ちの後登攀開始。
II級程度で難しい箇所はなかった。
1P目終了点で先行パーティーに追いつき、彼らを追い越しY本さんリードで2P目。
3P目トリコニーI峰 M崎リード。ここも困難な箇所はなかった。終了点で大阪アルデの1パーティーを追い越し4P目トリコニーII峰 Y本さんリード。
下から見ると右斜めのクラック沿いに登るのかと思ったが手がかり少なくすぐに左に回り込んで行った。
この箇所は日本登山大系によればIII級だが実感はIV級でルート中一番緊張した箇所だった。
その後もつるべで順調に登攀し、6P目Y本さんが雪稜に出た時点でビレイ解除しコンテで完了。
岩場での登攀を完了後、広い雪稜が延々と続き、約2時間をかけてようやく吊り尾根にたどり着いた(11:30)。
計画では吊り尾根を前穂に向かい、前穂沢または前穂を超えて奥明神沢を下る予定だったが前日に降った雪がかなり積っており、午後気温が上がれば沢は表層雪崩の危険性がある事と夕方から再び悪天の予報だったため計画を変更し奥穂から涸沢に下る事とした。テン泊装備は岳沢小屋に置いてきたため涸沢ヒュッテに宿泊し祝杯をあげた。
M崎さんの報告書から(次投稿「明神岳東稜」も同様)
 

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