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2018GW コブ尾根登攀

山行総括

天気、雪の状態によって今期の雪壁チームの最後の山行は岳沢ベースのバリエーションとなった。初日は岳沢入りできるのが早くても8:30その日は奥穂の南稜とコブ尾根の偵察を行った。今年は雪が多いと言われていたが急激な気温上昇により雪はぐさぐさ。所々シュルンドが口を開けている。過去の苦い経験から班長は、慎重になっていた。行くのを止めようと言われやしないかと一生懸命できる限り安全にいくことを考えた。取りつき付近のシュルンドをどこから回避するか、偵察して確認した。その先では、危ないと思ったら迷わずロープを出す。昼過ぎからは雪の状態がさらに悪くなるので偵察を切り上げて小屋で一杯やった。

2日目2:30起床4:00出発。ヘッデン歩行で、はやる気持ちを抑えて進む。マイナーピーク手前で稜に乗りたいが、急な斜面で10歩進んで深呼吸。落ちればスタート地点。小さなシュルンドを2.3つ越えてハイマツに飛びついた。出発から1時間ぐらい過ぎていたのでそこで小休止。それから少し上がって稜に乗った。

先では、気持ち悪いシュルンドが見えた。ロープを出す。ここからは、コンテとなった。シュルンドを飛び越えてハイマツにランニングを取った。少し先にしっかりした木があったのでそこまでランニングを取りながら登り支点を作った。班長に上がってきてもらい、少し離れたところでセルフを取ってもらった。そしてこちらはボディビレイに切り変えてさらに、班長に登って行ってもらった。そこから先は少し安定した斜面になったのでコンテで登る。

マイナーピークでは、スタカット。懸垂地点を見つけて懸垂。ちょっとしたナイフリッジに降り立った。

コンテで進む。

 

すると雪の全くないコブ岩が目の前にやってきた。雪解けが進みぐさぐさで近寄れない。やっと岩に取りつけた次はどこを登ろうか一瞬躊躇。登れそうなラインを見つけて登りだす。しばらく行くとハーケンを発見。間違ってはいなかった。(人が登らないところは落石が多いので危険度が高まる)ちょっとしたワンポイントを越えてピッチを切った。2ピッチ目は班長リード。うすかぶりが出てきて乗越す先でヒールフック!「そんなんあり??」と言われ笑うしかなかった。3ピッチ目で懸垂地点へ。23ヶ所に残置シュリンゲがあった。雪の状態で懸垂地点が変わることを教えてくれる。比較的新しいシュリンゲを拝借。ナイフリッジに下りる。振り返るとフィクスロープやかなり低い場所に懸垂用と思われる残置があった。ここから敗退して斜面を下りることがあったのか。ここでロープを片付けた。

コブ岩登攀を終えて後は雪面を登るだけかと思いきや、小岩峰が3つほど出てきてなかなか頭につかない。縦走路に人がいた。手を振ると振り返した。そして気がつくとコブ尾根の頭に立っていた。ジャンダルムが真横にあった。逆層が見えた。久しぶりだなと思った。そして、班長と拳をぶつけてお互いの成功を称えあった。

下山も簡単ではない。浮石が多く、どこが道かがよくわからない。雪があれば雪の上を、なければ踏み

を歩けばいいと甘く見ていたせいで難儀した。明らかに危ない斜面を降りようとして考え直した。晴れていてまだ元気だったからよかったものの、ガスっていて疲労していたらどうなっていたか。

歩きにくい浮石だらけの道を飽き飽きしながら天狗のコルまで歩いた。

ここからは、デブリだらけの急斜面を必死で降りた。雪崩の届かない地点まで来るとほっとした。畳岩の上には物凄い塊の雪が乗っている。崩れるのも時間の問題だ。こうやって雪山が終わるんだと思った。

コブ尾根を知ってから6年。シブいルートだと思う。登ることができて素直に嬉しい。(ao)

◆行動記録

429(日)15:00阪神今津駅⇒20:00沢渡岩見平駐車場(仮眠)

430() 5:45沢渡岩見平⇒6:35上高地→8:25岳沢小屋 偵察  18:00就寝

51() 2:30起床 4:00岳沢小屋→5:15マイナーピーク手前→7:30コブ岩→10:00頭→11:30天狗のコル→12:20岳沢小屋

52()7:00岳沢小屋→9:00上高地

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