12月17日。シベリアから日本海に吹き込む寒気の影響で、北は大荒れの予報。
予定していた唐松岳は断念し、比較的影響の少ない北八ヶ岳へと行き先変更したのは出発の3日前。
恐ろしく寒いと先輩方から聞いていて、泊ってみたかった黒百合平での雪訓となった。
出発の夜。滋賀県湖東は降雪。
仮眠を取り、翌朝は渋の湯登山口から入山です。
アイゼンを履く人、ツボ足で歩く人。
去年の唐松雪上トレとは違い、下からたっぷりの雪。
(唐松岳雪山トレ⇒こちら)
今季初の雪上、テン泊装備という事もあり(言い訳)黒百合平までの登りは正直キツかった〜。
出発から2時間半で黒百合平に到着です。
早速アイゼンを脱ぎ、ワカンに履き替えたら膝上の雪を時間をかけて整地。
シャベルで地面を水平にし、踏み固め、ポールに雪が付かないよう4テン2張を幕営。
荷物をデポし、稜線まで行ってみた。
明日目指す天狗が見える。東天狗と奥が西天狗。
再びテン場に戻り、ヒュッテで腹ごしらえ。
足元にストーブの仕込まれた神テーブルにビーフシチューが置かれる。
ゴロゴロ牛肉と野菜は柔らかく煮込まれ、人気なのも納得。このほのぼのとした時間が好き。
指先の感覚が戻ったら至福の時間ともお別れです。
ヒュッテの外に出ると、たっぷりと雪の乗った斜面でラッセルの練習。
ストックの持ち方、積雪が腿を超えた場合などを教わった。
ラッセルで身体が温まったところで雪崩ビーコン基本動作の練習。
まずは一人一人の電波が受信できるかをチェック。
初動では雪崩に巻き込まれた仲間の消失点を覚えておき、そこから下を捜索する事を再確認。
今回はビーコンを埋め、グループごとにコースサーチ~ファインサーチの練習をした。
あっという間に身体が冷え、急いで雪を払いテント内へ駆け込む。
いざ水づくり…といいたいが、ヒュッテで水を購入。
2L=2,000円成。
いいんです。利用できるものは利用しましょう。
そして今日の豪華な夕食、二種のつみれ&餃子鍋。
直前で来られなくなった食担Nさんが、出発前に届けて下さった食材とレシピで作りました。
就寝前、午後7時の小屋前の温度計は-19度だった。
本日が雪山テント泊デビューのH氏は、厳冬期用のシュラフを新調したそうで、
検証してみたいだろうと(本人は言ってなかったですが)端っこで寝ていただいた。
翌日4時半。シュラフカバーに落ちた氷を払い起床すると、シュラフの間に入れていた水も案の定、凍っていた。
凍らせまいとH氏が死守したアルファ米でトマトリゾットを作る。
「仮病使ってヒュッテでお留守番すれば?」と私の中の悪魔が囁くが
「では行きましょか。」のリーダーの声で我に返り、靴を履いてテントの外に出る。今朝も寒いわ!!
ヘッデンの灯りを頼りに東天狗岳ピークへ。
稜線から先はノートレース。強風で飛ばされたのだろう。
吹き荒れる風の中、やや急ぎ足でルーファイするリーダーの後を追った。
山頂につくも自分たちのトレースがみるみる内に薄くなっていくのが見えて分かった。
午後からはさらに吹雪く予報なので西天狗へは向かわず、来た道を戻った。
今回の雪上トレ。
グローブを外すのが億劫で、水分補給を怠り、高山病のような症状が出た。
極寒の中で自分の雑さが顕著に表れ、騙し騙しやってきた去年一年を今更ながら振り返った。
ひとつひとつの動きの丁寧さってホント大事。
今季も辛い雪山を安全に楽しめますように。
1日目
渋の湯登山口8:25-11:05黒百合平キャンプ場(泊)
2日目
黒百合平キャンプ場6:45-6:55中山峠ー8:00東天狗岳ー8:40中山峠ー8:45黒百合平キャンプ場9:50-11:15渋の湯登山口