昨年12月のじょうご沢、裏同心ルンゼに続く第二弾のアイスクライミング。
今シーズンは暖冬のためどこもアイスが十分成長しておらず計画を組むのが難しいが一週間前の寒波と降雪で八ヶ岳もようやく雪山らしくなった。
南沢小滝
三叉峰ルンゼ大滝
三叉峰ルンゼ
石尊稜上部岩壁取付
1日目(1月30日)
初日は南沢大滝、小滝。
小滝では先行パーティー数名がトップロープを3本張って混雑していたため大滝に行くが残念ながら表面を水が流れ状態が悪かったため登攀を断念、小滝に戻り順番待ちをしてトップロープを張り数本登った。
小滝も表面を水が流れてズブ濡れになったがバーティカルアイスの良い練習となった。
この日は行者小屋に宿泊。
二階の大広間は炬燵があり落ち着いた良い雰囲気の小屋だった。
2日目(1月31日)
三叉峰ルンゼは3年程前の岳人の特集にあった八ヶ岳の代表的なアイスクライミングの初級ルートでいずれ行きたいと考えていた。
石尊稜への取り付きの手前の分岐を左側にルンゼを詰める。
大滝の手前にも小さな滝が2つ程ある様だが雪に埋もれ見えなかった。
3週間前に石尊稜取り付きから撤退時に見た十数メートルの大滝はルンゼから落ちる雪で上部までほぼ埋まっており拍子抜けした。
大滝で赤岳鉱泉から来た二人で120歳超というパーティーに追いついた。
彼らが先行していなければ膝までのラッセルを強いられたと思う。
その後いくつかのナメ滝を越して行くとルンゼは右と左に大きく分かれる。
左は三叉峰ルンゼを詰めるルート、右は石尊稜上部岩壁の取り付きに向かうルート。
右に行くか左に行くか悩んだが左ルートは一週間前の降雪が相当量積もっておりトレースもなかったため時間がかかると考えやめて先行パーティーの後を追って右ルートに進んだ。
メンバーは全員アイス用のモノポイントアイゼンを装着していたため石尊稜上部岩壁の登攀ではなく取り付きを右にトラバースして右上し稜線に出る事を考えたが雪が多いところに気温が上がり雪崩の危険があったので上部岩壁を登攀する事とした。
1P目は中間支点を取るピンがなくアイスピトンを打ち込む場所もなく、岩と雪のミックスの切り立った凹角を10m近く登りようやく岩にスリングを掛けて中間支点を取った。
ホールドはしっかりしていたが岩壁上は雪の付き具合が中途半端でアックスが決まり難く緊張した。
2P目は途中でコンテに切り替え稜線に出て地蔵尾根を下山した。
ほとんどアイスクライミングではなかったがいろいろな場面でその時の状況に応じた判断が必要でバリエーションの良い経験になったと思う。
(M崎さんの報告書より抜粋しました)