NM治リーダー、S本K悟サブリーダー、そしてNS子の3名、「上ノ廊下」の遡行完了しました。
8月24日夜関西発、28日夜帰宅の4泊4日の日程。
「上ノ廊下」は、知名度抜群。憧れとともに畏敬も有り、かなりの緊張感で参加。
リサーチすればするほど、不確定要素が多く、パーティーの力量が問われる沢。
気持ちの強さ、体力、判断力…自信あるか?と聞かれても躊躇する沢。
でも、今までの経験と、心強い仲間を信頼して、乗り越えられると確信していた。
【1日目】
25日朝9時、黒部湖出発、平ノ小屋を目指す。
帰りの便を考慮して、立山駅駐車場に車を置き、
ケーブルカー、トロリーバス、ロープウエーなどを乗り継ぐ。
交通費6,750円…かなり高額と思うのですが…
丸太の梯子道が続きます
平ノ小屋の水場に、尺イワナがいっぱい
14時出発の予定ですが、20分過ぎて、待ちきれず、船長さんを呼びに!
5分程で対岸に到着。
また、丸太の梯子がずっと続きます。
このアプローチに、大変な労力を注いでいただいております。
奥黒部ヒュッテ近くの東沢谷出合付近にテント。
隣のテントの方は、イワナ釣りが目的とか。
黒部川本流、赤木沢は禁漁ですが、東沢谷はOKとか。
早速、お裾分けをいただきました。
テント設営後は、やっぱり、焚き火です。
テン場では禁止!
徒歩1、2分の河原で、焚き火です。
【2日目】
26日、2日目の早朝東沢谷出合を出発。上ノ廊下のスタート。
2日目午前中の天気は、まずまずで、水量も少な目。
下ノ黒ビンガ
流れも穏やかで綺麗
ゴルジュは深い
水の勢いも強くなってきました。
何処から攻略しようか?
上ノ黒ビンガ
上ノ黒ビンガの迫力に、1歩進む毎に見とれてしまう。
2日目の幕営は、金作谷すぐ手前の高台に。
後から思えば、2日目の遡行は、水量も80%程?順調過ぎました。
4
しとしと雨が降り始める。
雨の中でも、焚き火は楽しい。
この雨が、翌日の沢グレードUPになるなんて、気にしていない!
【3日目】
3日目、前日からの雨でかなり増水、流れも険しく。
この難所といわれる「金作出合上の淵」の突破が難しかった。
へつるには深すぎるし、手掛かりが甘い。
水の勢いに身体が持っていかれる。
何度もトライするも、突破しがたく、撤退もやむなしと一旦合意。
しかし、良く見ると、岩上部に残置のナッツとロープスリング。
でもでも、かなり劣化していて命をかけられない!
そこで、S本さんが、もう1度とトライ、カムを使って前進!!
NS子もカムを回収しながら、クライミング。
S本さんがとても丁寧に登っていた理由がよく分かった。
岩ヌメヌメ、ハンドホールド無し、手と足の指1本でも滑らないように
ジワーと前進、岩上部に出てから、ドボ~ン!!
3番手のNM治が、ザックをロープにセット、引き寄せる。
何とか、やっとこさクリア。ここが、一番の難所だった。
泳いでの突破は、まだまだ続く。「スゴの淵」の出口。
水量が多く、深く、厳しい。
次の「立石のゴルジュ帯」も流れが速く、飛び石渡りのルートを選択。
S本さんが、長いストライドと、身体能力を発揮。
このジャンプ!! 息をするのを忘れて見惚れていました。
ここを超えれば、高天原にエスケープ出来る。
モアイのような立石奇岩。
ついに、E沢に出る。
やっと、やっと、B沢出合に到着。
上ノ廊下遡行終了!!
B沢からすぐに、一般道の大東新道に出て、薬師沢小屋へ。
一般道とは名ばかりで、沢沿い、ザレ場有り、崩壊有りの気疲れ道だが、
2本足で立って歩ける喜びに、疲れも癒されます。
写真を撮ることすら出来ない、厳しい箇所がありました。
NS子にとって大変だったのは、スゴの淵の先。
ロープで確保してもらっていたが、深く足がつかず、右手ホールドで、
右足を腰の高さのホールドに乗せるのに手間取った。
ザックを背負っているため、水流の影響が強く、身体が保持出来ず
辛かった。
水に身体が浸かっているいるので寒いし、右手ホールドに頼るため、
右腕の疲労感も大きい。
確保しているS本さんの疲労も激しく思われ、何とか、仕切り直す。
やっと上陸出来た時は、ホッとしたが、それからの私の大仕事…
もっと上の安定した場所に移動して、皆のザックを上げること…
濡れたザックを持ち上げることで、パワーを出し切ってしまった。
テルモスのお湯を飲んで、行動食を食べて、やっと復活。
こんなにも頑張れたのは、パーティーのおかげです。
ありがとうございました。