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2019年7月13日~15日 上ホロカメットク山~十勝岳~美瑛岳

 

6月の山行で初めてクマに遭遇。ハンドベル大の熊鈴が欲しいぐらい過敏な状態で

地図にヒグマの文字が並ぶ北海道へ。天気が思わしくないので直前までルートを検討、

予定を変更して稜線からすぐの上ホロ避難小屋を目指す。しとしと雨、ガスでぼんやり。

花や草木が瑞々しいのが救い。安政火口を前に沢を渡る。途中ドーンという音がとどろく。

雷鳴か?としばらく待機するもちょっとおかしい。調べると近くに自衛隊の駐屯場がある。

演習だろうとまた歩き出す。振り返れば緩やかな稜線に挟まれた緑の大海原が広がっている。

道々お花を楽しみながら300階段を登り稜線へ。

ウコンウツギ

 

オオバタケシマラン

 

風が強いので上ホロカメットク山頂は踏まずトラバースルートを行く。

斜面は小さな花が咲き乱れているようだ。雪渓もまだたくさん残っており水場も良好。

2階建ての小ぶりな避難小屋はトイレもあり、毛布をたっぷり敷き詰めて暖を取る。

晩ごはんはスープカレー。暖かく就寝。

 

翌日も天気は思わしくない。ルートを再検討、まだ乾かぬ雨具を着て出発、

ガスが風でたたきつけられ手、足、体の右半分がみるみる濡れていく。

ザレた細い尾根、左側は噴火で削られた断崖、右側は雪渓が残る。

十勝岳が近づくにつれ火山礫がゴロゴロ。稜線というにはあまりにも広大で景色が果てしない。

 

 

薄ぼんやりと見える岩がヒクマに見える。富士山の砂走りのような一面砂礫の斜面を下り、

沢を越えトラバースしていく。荒涼とした景色に圧倒される。

美瑛岳が近づくと緑が増え、一面チングルマが揺れる斜面を歩いて行く。

真っ白な山頂で道産子からこんな天気の方がヒグマは活動的なんですと教えていただき、

登山道にはほやほやの落とし物も発見。雨も降り出し、

これでは熊撃退スプレーもお守りにはならない。

手、足、体の左半分を濡らしながら来た道を引き返す。

十勝岳からの稜線はザックカバーが飛ばされそうな風の強さ。

靴まで浸水しながら我が家(?)へ到着。着替えを済ませ湯たんぽを回しながら暖をとり、

みんなで昼寝。眠気覚ましに帰りのお弁当をかけてUNOで火花を散らす。

今宵は味噌ラーメン。体の芯から温まる。

 

夜中雨音と風の音が聞こえていた。朝外に出ると見慣れた景色。

富良野岳はあきらめて下山することに。

まだ踏んでいなかった上ホロカメットク山頂を踏んで富良野岳への分岐、

上ふらの岳に近づくにつれ、ガスが晴れ、初めて十勝岳の全貌が見える。

歩いた山肌は荒涼とし、大きな岩が重なる山頂だが、

遠くから見ると長く緩やかに伸びる裾野が優しい印象すら感じさせる。

噴煙が上がり硫黄の色まではっきりと見える。火山ならではの複雑な地形がダイナミックで美しい。

十勝岳

 

富良野岳に続く縦走路もガスが滝のように流れていき十勝岳とは対照的な、

ベルベットのように密な緑が素晴らしい稜線が見え始める。

富良野岳

 

上富良野岳から尾根をくだり、長く広い斜面をトラバースし、安政火口に続く富良野川を越え、

また長く広い斜面をトラバースする。

雄大な斜面に走るトラバース道を向かい合わせに見ながら歩く楽しいルート。

天気もどんどん良くなり、登山者はひっきりなしに登ってくる。

富良野岳への未練でいっぱいになっていたらほんの数分で見慣れた真っ白な世界に。

やはり宿でお風呂に入ってのんびりするに限ると思い直してどんどん下る。

ヒグマにも会わなかったが、他の動物も何も見なかったなと思っていたらリーダーがリス発見。

その後登山口の駐車場でキタキツネも見かけた。

ふさふさ尻尾のリス

 

天候不良で縦走の予定が避難小屋ベースとなり、2階スペースを独占。

2日目、これまた期待外れの天候でしたが、小屋で湯たんぽを作りほっこり。

快適でゆったりとした山旅でした。

3日目ガスがとれ、かみふらの岳から眺めた十勝岳と噴煙、粗々しい噴火口、

北海道らしい景色はしっかり目に焼き付けられました(I永)

 

上ホロ避難小屋、良い小屋でした!(K山)

 

百名山の十勝岳や美しい美瑛岳も地名はアイヌの言葉に漢字を当てはめたもの。

その中で今回一番登りたかったのは『上ホロカメトック山』。

以前からこのカタカナに何ともロマンを抱いていたが、

頂きでは丁度待ってくれてたようにガスが消え、

それはそれは美しい十勝岳が真正面に大きく見えた。 昨日までは雨やガスの中の行動だったが、

この景色を見れてやはり今年も北海道に来れて良かったと心から思った。(T内)

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