★目的 アルパインクライミングの実践
★メンバー 2人
今回の北岳バットレスは2010年秋の大崩落から3年、かなりのクライマーが登攀しているとの情報から4尾根を登ることに。通常bガリーからのアプローチだが、cガリーの崩落で道が悪く、dガリー取りつきから登ることに。
前日の偵察では雪渓のトラバースが核心と予測しフィックスロープを張りハンマーをアイスバイル代わりに突破する。5時というのに取りつきには3パーティ。最終の城塞ハングではピラミッドフェースやdガリー大滝などからの合流組が一気に集まり6パーティ中5番目の登攀となった。
前回のバットレスは10年前。自身初のクライミングであり昨年春、エベレストで亡くなった尾崎隆ガイドのリードで必死の思いで登ったことが鮮明に記憶に残っていた。そのルートを枯れ木テラスまで忠実に再登するのも今回の目的のひとつだった。また、枯れ木テラスより上部の崩壊は実際目の当たりにすると、将来に大地震など災害が起きるとこの崩壊が進むと強く感じられた。
ピッチはこの崩壊現場に残った水平のリッジをハンドトラバースで城塞ハングまで約20m進む。田所さんはとてもリードできないとフォローに回るほど実際に緊張するトラバースだ。
全体を通じて、前回よりもルートファインディングが難しく、初級の岩登りの割には大変なクライミングであった。6時間の予定が大幅に遅れ8時間かかった。反省点として、この遅れの原因はルーファイ力と登攀力の無さに尽きると思いました。
次回は是非ピラミッドフェースから4尾根への継続を登りたい。
★行動記録
7/27 7時芦安集合、乗合バスで8時30分広河原着。白根御池小屋
10時30着。11時-15時まで取りつき偵察。(Dガリー取りつき
確認)
19時就寝
7/28 2時起床。3時出発。5時dガリー取りつき。
5:30 バットレス下部岩壁dガリー3ピッチ。
1ピッチトラバース。
8:00 第4尾根下部2ピッチ
9:00 第4尾根クラック1P~5P
11:00 マッチ箱懸垂
12:00 城塞ハング(最終ピッチ)6P~9P
13:00 北岳頂上
16:45 広河原下山
下山時間が大幅に遅れ、芦安行きのバスに乗り遅れた。夜叉神峠のゲートが18時閉門でタクシーも通行できないところを係りの人に頼んで開けてもらった。今回は偶然下山できたが、北岳周辺の登山には要注意。
広河原到着
広河原出発
白根御池小屋着
バットレス沢出合
バットレス取り付き手前
C沢出合
取付き(Dガリー大滝右手前)
第4尾根 1ピッチ目
マッチ箱のピーク
枯れ木テラスからのトラバース
城塞ハング
北岳ピーク