GW前半は晴れ続きの予報。
以前から行ってみたかった「日本オートルート」にチャレンジしなさい、
とお天道様は言っている。という事で急遽半袖さんと2人で挑戦することに。
装備はできる限り軽くしたつもりだが、板とブーツを合わせると25 kg以上ある。
【1日目】27日夜に神戸を出発し立山駅で仮眠。2便目の臨時ケーブルカーでいざ出陣。
途中の弥陀ヶ原では2日目の目標地点である薬師岳が遠くに見える。
室堂で遭対協の方に計画書を提出すると、
「壮大な計画ですね!!このルートは僕も行ってみたい!!」
とテンション上がるコメント(笑
そう、、、この計画は「壮大!!」
5/3までの5泊6日で随所に長距離の滑りを織り込んだ、超超欲張りルート!!
ということで、8:00に室堂を出発。天気も上々、荷物の重さはさほど感じない。
順調に歩いて9:00に一ノ越到着。まずは最初の滑り。
御山谷を2500m地点まで滑る、が、荷物が重くて滑りにならない…。
そこから龍王岳と鬼岳のコルを目指してハイクアップ。
先行する2人分のスキーのトレースとツボ足のトレースが1本。
3人先行者がいる模様。おかげで、ルートファインディングの手間が省けて助かった。
鬼岳は東面をトラバースし、獅子岳とのコルに滑り込む(11:30)。
獅子岳への登りは硬い急斜面。板を担いでアイゼン・ピッケルで登る。
獅子岳の稜線南端からは中ノ谷へ落ち込む37度の斜面を2400mまで滑る。
雪も緩んで滑りやすいが、荷物が重い…。
そのままザラ峠へトラバースで滑り込む(12:05)。
ザラ峠を過ぎた辺りで後続のスキー2人組に先を譲る。
この2人は双六まで縦走して新穂高に下山するとのこと。
五色ヶ原山荘を13:40に通過し、ゆるゆると鳶山へ登る。
ここで半袖さんの遅れが目立ち始める…(まだ高度順応できていなくてしんどい、とのこと)。
鳶山を14:40通過。目指すは越中沢岳手前の台地。
鳶山南西の2560mのコルから東面をトラバースして南の稜線に抜けるところは
板を担いでアイゼン・ピッケル。
そこからはシールのまま滑って2356mのコルへ。
再びゆるゆると登り2400mの樹林帯で幕営。
半袖氏、あまりの疲労で食事が喉を通らず…。
夜は無風、そして月と雪明かりでヘッドライト無しで歩けるくらい明るかった。
【2日目】5:35テント場発。相変わらず無風。手袋も薄手1枚で十分なくらい暖かい。
シール登高で順調に歩を進め、6:10越中沢岳通過。
当初の計画では越中沢岳南陵途中からスゴ二の谷を滑る予定だったが、
雪が少なく夏道が出ていて谷に滑り込めない。
コルまでは板を担いで夏道を降りる。
コルの中にある2320mのピークを回り込むと、昨日先を譲った2人組の幕営跡があった。
ここからツボ足のトレースが2431mのピークに続いている。
今日の行程は非常に長いので、できる限り体力を温存したい我々は、
コルからスゴ二の谷へ滑り込み、スゴ乗越へ登り返すルートを取ることにした。
谷はまだ雪が固く神経を使いながら高度を下げる。
2150m地点で西北西に伸びる尾根にかろうじて通過できる雪渓を見つけ回り込みに成功。
スゴ乗越への登り返しは80mだけで済んで体力温存!!
スゴ乗越には8:30到着。今日の目的地は薬師峠。まだまだ今日の行程の1/5しか来ていない。
ここから地獄の登りが始まる…。スゴ乗越小屋を9:30に通過。
そして、半袖さんのペースが上がらない(笑
高度順応はまだですか~(笑
先行の2人組がはるか彼方に見えるが、4時間以上離されている感じ。
偽ピークに何度も騙されつつ北薬師岳に到着したのは15:40。。。
恐ろしく遠く長かった。。。半袖さんは薬師岳だと思い込んでおり、
北薬師から薬師が見えた時にはかなり凹んだそうな。
幸いGWで陽は長い。のんびり行っても明るいうちには薬師峠には着くでしょう。
足が止まった半袖さんを励ましつつ薬師岳に16:40到着。
さあ、あとは滑るだけ!!
当初の計画では薬師沢右俣を滑り、左俣・中俣との出合か、
さらに登り返して赤木平で幕営予定だったが、そんな計画はとっくに忘れ去られ、
目指すは薬師峠(笑
しなしながら、2人とも初めての薬師岳。
どこを滑れば効率よく薬師峠に滑り込めるかわからない…。
結局薬師岳山荘までシールで滑るという「超」体力を消耗する選択をしてしまい疲労蓄積。
しかも気温が高く雪が緩み過ぎてしまい、ゆっくり滑ると板が雪面に刺さってしまう。
それでも太郎平小屋が近づき薬師峠が見えると元気が出てきて、
峠までの滑りは楽しむことができた。
本日は薬師峠で幕営(17:20)。今夜も我々のみの静かな夜。
そして、今夜も半袖さん、夕食が喉を通らず…。
「僕、高山病じゃないです。単なる体力不足です(笑」
富山の夜景が素晴らしい夜でした。