お久しぶりです、半袖です。
今季は大雪に見舞われながらもなかなかタイミングが合わず山スキーはちょっと控えめですが、それでも爺ヶ岳東尾根支尾根のどパウや、不帰Ⅲ峰Dルンゼの滑走に興じております。
今回の報告は笠ヶ岳への最短ルート穴毛谷の雪山登山。入会してすぐ山スキーにハマったので12年ぶりに歩く登山を今季再開しました。

3日(木)の深夜に車を走らせ道の駅奥飛騨温泉郷上宝で仮眠。
起床後ほぼ全ての準備を済ませて奥飛騨温泉郷観光案内所に向かいます。
案内所から穴毛谷の堰堤群が見えます。晴れていれば笠ヶ岳や緑ノ笠も。

中崎尾根の左俣林道を歩き、第二渡渉点の橋を目指します。
が、途中に1806横の沢から落ちたサイズ2.5〜3級の大雪崩で対岸の道や川までも埋没。わさび平小屋の営業開始までには修復含めて開通するかな。

雪崩跡を直登することが出来たので橋まで行く必要がなくなり右岸の林道を進みます。
穴毛谷に入ったら二ノ沢の出合でヘルメットとアイゼンを装着して黙々と歩く。

穴毛谷は左右に急斜度の沢が並ぶため雪崩の巣窟。
歩きにくいですがデブリをステップに進みます。

穴毛大滝は今回詰める六ノ沢末端の滝。谷を少し上がってから滝を巻いて六ノ沢に入る。

斜度が上がるとグライドクラックも現れてくるので踏み抜きに注意して通過。

計画段階では六ノ沢の本谷(右俣?)と左俣の2案を考えてて、左俣を目の当たりにすると綺麗な雪面。しかも播隆平へは左俣が好都合。ということでネットで調べても記録が見つからないこちらを選択。

出合からずっと斜度は40度。源頭付近は50度に達するもガスに巻かれて日射の影響がないため雪が安定し、ピッケルとアイゼンが効いて歩きやすいステップを刻んで上がることができました。また、振り向くと落ちてしまいそうな高度感も紛れて安心をくれました。

第五尾根を越えてトラバースの先は播隆平。当然ながら誰も踏んでいない雪原を歩きます。
昨秋の無雪期に笠新道から稜線を歩いたときに目星をつけていた所を歩けるって幸せ。

播隆平にテントを張ると眼前には穂高連峰。
夕食とアテと白ワインで和み、翌日に備えて早めの就寝。
※画像は翌朝。

翌朝に緑ノ笠を歩く方が撮られていたのでSNSで画像をいただきました。
中央に我々のテントひと張り。贅沢!

陽が昇ってから撤収して近くの稜線を目指して乗っ越し、まずは笠ヶ岳山荘(休業中)へ。
ここで荷物をデポして頂上へのビクトリーロード(?)。

積雪期 日本百名山の笠ヶ岳登頂。
雲ひとつない快晴で360度の景色を堪能。

後ろ髪を引かれつつ下山ですが、この稜線もまた格別。

下降はだだっ広い杓子平を。

途中で六ノ沢を見渡せる箇所があったので立ち止まってニンマリ。
赤いルートが今回登攀した左俣で、若干斜度を落として右上に伸びるのがメインルートの本谷。

行きは気付かなかった穴毛谷の名の由来の穴毛岩。

両日10時間の行程をこなして無事下山。
午後は曇り予報だったけど17時でも観光案内所から笠ヶ岳と緑ノ笠を望むことができました。
積雪期はどこでも歩けて、人がいない静かな山とテント泊は最高!
行動時間:19時間36分
水平距離:16.9km
獲得標高:2090m